本日行われた王座戦第1局で永瀬王座が勝利した。
夕食前は藤井竜王名人が優勢でこのまま決まるかと思ったが、まさかの永瀬王座の逆転勝ちとは。
永瀬王座は、このシリーズに勝てば王座戦5連覇となり名誉王座の資格を得られる。永世称号を得られる機会はめったにない。永瀬王座の名誉王座にかける思いは非常に強いだろう。
ちなみに、羽生善治会長の師匠である故二上達也九段は永世棋聖獲得にあと1期と迫っていたが、果たせなかったそうだ。
故米長邦雄永世棋聖は、棋王戦で4連覇を達成し永世棋王獲得にあと1期と迫ったが惜しくも5連覇ならず達成できなかった。
谷川17世名人は、永世棋聖獲得にあと1期と迫っているが果たせていない。
名誉王座を獲得したことがあるのは、羽生会長、中原誠16世名人のみ。時代を築いた方たちだ。
王座を防衛したことがあるのは、上記の2名と永瀬現王座のみ。
今回の後手番での勝利は非常に大きいものだ。
永瀬王座の王座戦における今までの対戦相手
第67期 斎藤慎太郎 3-0で永瀬奪取
68 久保利明 3-2で永瀬防衛
69 木村一基 3-1で防衛
70 豊島將之 3-1で防衛
名誉王座を獲得するうえでラスボスになったのが、藤井七冠。ラスボスにふさわしすぎる最強の相手だ。
もしかしたら永瀬王座は去年に次いで藤井七冠には本戦トーナメントで消えてもらいたかったと思っていたのではと、憶測している人がいるかもしれない。
だがそれで藤井以外の挑戦者に勝って名誉王座になれたとして、藤井七冠が挑戦しなかったから運よく名誉王座になれたと嘲笑する者が出てくるだろう。
それでは永瀬王座のプライドが許さないだろう。
なので永瀬王座は決して不運ではなくこのシリーズに勝てば、誰もが文句のつけようのない名誉王座となれる千載一遇の機会を得られたのだ。
追記 9月16日
第2局は藤井七冠が勝利。
これで実質三番勝負になった。次回の第三局は天王山だ。