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ビックモータの不正やその背景についてわかったことを整理してまとめてみた

今回は、ビックモーターの不正やその背景について。

 

悪質な詐欺会社だとして、連日報道されていて世間から大バッシングを受けています。

複数のビックモーターに関するユーチューブの動画を見て、私なりに分かったことを整理してまとめていきたいと思います。

 

ビックモーターは、車のことなら全てお任せといった会社です。自動車の販売や買い取り、修理、車検、任意保険の提供などありとあらゆる車のサービスを提供しています。

他の販売店と違って車のことなら全部任せることができるのは便利だなと、評判になりたくさんの顧客を獲得していきました。

ですが、実態はありとあらゆる不正を行ってきた悪質な詐欺会社でした。

事故車を中古車と偽って販売したり、修理代を多くまきあげるために預かっていた客の車をわざと傷つけたり、販売している車が通行人側からよく見えるために店の前の街路樹を枯らしたり、適切な車検が行われてなかったり、保険会社に虚偽の申請をして多くの保険金をだましとったりしていました。

 

元々、ビックモーターは元社長であり創業者の兼重宏之氏が一代で大きくしていった会社でした。

薄利多売といったビジネス方式を展開して、全国の多くに支店を出して、たくさんの車の在庫を確保することで、どこよりも安く車をたくさん販売することができビックモーターは大きな利益を上げ急成長をとげていきました。

ですが、近年インターネットの普及で、簡単にパソコンで自動車の見積もりができるようになったため、元副社長で実権をにぎるようになっていた宏之氏の息子である宏一氏は父親の今までのやり方では今後通用しなくなると考え、今までのビジネス方式を大幅に見直し変更していきました。

自動車をたくさん安く販売するだけでは、利益につながらないというのは、宏一氏だけが思っていたわけではなく昨今の中古車業界全体の常識でもありました。

そこで宏一氏は、自動車の修理と任意保険の提供で大きな利益を得ていこうと考えました。

 

具体的にまずは、自動車の修理1台あたりに高額のノルマを従業員にかけることでした。そのノルマは適切に修理するだけではとても達成することは不可能な額です。

修理代は車の破損状態で決まるため、そもそもノルマを従業員に課すこと自体が間違っています。

ですが従業員はわざと預かった車を傷つけるなど不正をして、ノルマを達成していきました。

なぜなら宏一氏の出されたノルマが未達成になってしまうとパワハラを受けたり、降格や左遷させられてしまうからです。

逆にノルマを達成すると、宏一氏から気にいられて出世したり給料が多くもらえるようになったりするので、不正に手を染める従業員が続発していったのです。

不正なんかしたくないといった従業員は宏一氏から疎まれて追放の憂き目にあうようになり、ビックモーターの上層部はほぼ不正を行って出世してきた、宏一氏のお気に入りの従業員で固まるようになります。

このように宏一氏は従業員をひたすらパワハラするなどして、恐怖政治で絶対君主として君臨することで、自分の課した無理難題なノルマを達成させて自動車の修理で大きな利益を上げていきました。

 

次に、保険会社との癒着です。

宏一氏は、もともと損保ジャパンという大手の保険会社の出身です。

そのコネを利用してビックモーターと損保ジャパンのつながりを強めていきました。

自動車を販売する際に、ビックモーターは任意保険の提供として損保ジャパンを、損保ジャパン側は、事故で連絡を受けた際に傷ついた自動車の修理についてはビックモーターを強く顧客に勧めることによって、お互いに利益をもたらしてもちつもたれずの関係を築いていました。

この辺りは特に違法ではないのですが、悪質だったのは、ビックモーターはつながりの強い損保ジャパンを利用して、不正により生じるであろう顧客とのトラブルを未然に防いでいたのです。

修理に出されていた車が故意に傷つけられて、修理代がまきあげられていたというお話は先ほどしました。

普通ならば、修理代高過ぎじゃないと店側と客側でトラブルが起きそうなものです。

ですが、保険が適用されるのでお客様が修理代を負担することは一切ありませんよと顧客を納得させることで、トラブルを回避していました。

なので損保ジャパン側がしっかりと調査をして修理代は適切ではなく、保険料の架空請求が発覚してしかるべき処置を行っていたら、ここまで不正が広がることはなかったのではないかというという批判の声が大きくなっています。

損保側が全く問題にしなかったのは、架空請求されても、ユーザーの保険料をあげれば負担が全くなく済み、ビックモーターの任意保険提供で損保ジャパンは大きな利益をあげていて指摘しづらかったのではないかと言われています。

結果として、車を持っている全ユーザー顧客の保険料の負担が不当に重くなっていったのです。

なんだか半沢直樹みたいなお話ですね。

 

宏一氏が修理代のノルマを課すという致命的なミスから不正は始まっていき、ビックモーターはお客さま至上主義ではなく、売り上げ至上主義によって不正だらけの総合商社に変貌していき、世間やマスコミから大バッシングを受けるようになりました。宏之氏は記者会見で、不正の認識はなかったと主張しています。経営陣から不正をしろとの指示はなく、あくまでも従業員が勝手にやったものだと。従業員に全責任を押し付けて自分だけは責任逃れをしようとしていて、反省がまったくうかがえませんでした。

 

ですがビックモーター以外の多くの中古車販売店もビックモーター同様に不正に手を染めていたのではないかという可能性があり、単にビックモーターを廃業に追いやるだけでは、第2第3のビックモーターが台頭するだけで根本的な中古車業界全体の問題解決には至らず、またビックモーターを完全に倒産させてしまうと、ビックモーターの下請けをしていた多数の工場が連鎖倒産してしまうので、ビックモーターは兼重親子を追放するのは勿論のこと、経営陣を大きく変えて存続させるべきだという考えがあるそうです。

昨今の日本経済の停滞が中古車業界全体に悪影響を与えて、ユーザーや顧客に対する裏切り行為といった大きな問題を生み出しているのかもしれないといった見方ができるかもしれません。

 

参考 YouTube動画

中田敦彦YouTube大学

大人の教養TV

失敗小僧