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千葉からほとんど出ない引きこもりの俺がルーマニア語の小説家になったお話

略して千葉ルー。

 

大学卒業後、千葉にある実家の子供部屋で引きこもり生活を送ってきた著者が、あるルーマニア映画に出会い、ルーマニア語に強く惹かれ、独学でルーマニア語を学び、SNSを通じてルーマニアの著名な監督や小説家と親交を深めていき、1度も現地に留学することなくルーマニア語の小説家になったお話。

私も千葉県在住で、2階の子供部屋で引きこもり生活を送っているので著者に親しみを覚えた。私もはてなブログで日記や映画の感想などを書いている。
ルーマニアといえば、著書でも触れられているが、たけしの影響でコマネチとか、奥さんと一緒に処刑されたチャウシェスクという独裁者ぐらいしか知らなかった。
ルーマニアの人々が世界に向けてメッセージを発信するときに、自分たちのマイナーな言語では、世界の人々には伝わらないので世界の公用語である英語を使わなければならないなど、ルーマニア語がいかに軽視されているかを、ルーマニア愛の強い著者は本書の中で強く訴えている。
ルーマニアの著名な監督や、小説家、そして詩人たちとのツイッターフェイスブックでの交流のやりとりのエピソードはとても感動的だった。
みんな親切で素晴らしい人ばかり。
著者がルーマニア語を習得するために、苦手だった英語を基礎から勉強し直したり、詩を学ぶために年下の高校生に教わるなど、ストイックな姿勢やルーマニア愛に感動した。将棋でいうと永瀬拓矢王座を思い浮かべる。

ルーマニアと日本において小説家という職業に対する考え方の違いや、求められる外国人作家の違い、ルーマニアの時代背景や、ジェンダーレスの観点からみた不公平な点、辞書は好きだが外国語の流行で自国の言語が廃れるのを防ぐために保護して守ろうとする、ナショナリズムで作られているので、他国の言語に差別的で不満を感じる点があることや、日本語で書いた文章をルーマニア語に訳す時の、従来の翻訳ではありえない、著者特有のオリジナルの技法などが説明されていて、決してルーマニアの人々が認める、完ぺきでネイティブなルーマニア語を書くことを目指しているのではなく、自分で大好きな新しいルーマニア語を生み出していくんだという思いや、クローン病を発症してから投与された薬の影響で、逆に腸以外のすべての器官が健康になったくだりには驚嘆した。

まあ、SNSの発達した現代だからこそ誰しもができる、国内の子供部屋でのルーマニア留学体験記だった。
自分もやってみようかなと思った。著者のいうようにまずは英語の学び直しからかな。

 

追記 7月10日

千葉ルーの作者の斉東鉄腸さんに、ツイッターのDMでメッセージを送ったら返信してくれた。感激だ。
以下DMでのやりとり。

出された著書を図書館で借りて読ませていただきました。自分も千葉県在住で実家の2階の子供部屋で引きこもっているので済東さんに、勝手ですがものすごい親しみを覚えました。
Mon 4:17 PM
こんにちは、著書読んでいただき感謝です。今は何とか脱・引きこもりをしていけていますが、大分長い間私も子供部屋で引きこもっていました。“頑張れ”なんて声を気軽にかけられるわけもないですが、それでも歩くような早さで少しずつ前に進んでいければと思います。私も正にその途中です、いっしょにやってきましょう。重ね重ね読んでくださり感謝です!
Yesterday, 3:06 PM
返信が頂けると思わなかったので感激です。 ありがとうございます。 著書を読んだ感想をnoteに書かせていただきました。
Yesterday, 5:23 PM
こんにちは、そちらも読みました。ありがとうございます!こういった記事のおかげで、より多くの方が千葉ルーをお手にとっていただけると思うと光栄なことです。映画ブログも作ったそうで、応援してます。執筆、頑張ってください!
Yesterday, 5:28 PM
応援ありがとうございます。

映画ブログの方はすぐに閉鎖してしまったが( ´艸`)。