母親から、小生ってどういう意味?と聞かれた。
1人称、つまり目上の相手に対して自分のことをへりくだっていう言葉だと答えた。
昔の人が良く使っていた言葉というイメージがある。今時の人で小生を使う人はなかなかいないだろう。
他に似た言葉として吾輩があるなと思った。こちらも古いイメージが。
ちなみに夏目漱石の吾輩は猫であるを英訳すると、アイアムアキャッツになる。なんだかシンプルすぎて味気ない。英語の1人称はアイしかないからだ。
厚切りジェイソンに突っ込まれそう。私は猫だ。知ってるわ!!てな感じで。
日本語は英語に比べて1人称がたくさんある。気になったので調べてみた。
私、自分、小生、吾輩、拙者、某、僕、俺、おいら、うち、おのれ、わしなど。
自分はなんだか堅苦しい感じがする。軍隊でよく使われていそうな言葉。
拙者と某は時代劇などでよく聞く。侍や忍者が主君に対して使う言葉。
僕はなんだかひ弱な感じがする。俺はかっこつけている感じ。
僕と俺は、ジェンダーレスの観点からみて女性差別が含まれているという指摘があるので、私が1番無難なのかもしれない。
おいらはビートたけしか。
わしは両津勘吉か。
おのれが1人称だったことを知ってびっくり。
クソーという意味だと思っていたが。
自分と僕は2人称としても使われることがある。
関西の人は、自分そうやろとか。
名探偵コナンでも、それをネタにした事件があった。確か服部平次が出ていた回か。
小さい男の子に対して僕~とか。
2人称。
あなた、あんた、君、お前、貴様、てめー、そち、そこもと、汝、おぬし、そなた、御身。
あなた、君、お前は一般的によく使われている。
貴様はベジータを思い浮かべる。
相手をののしって言う言葉だが、もともとは相手を敬う尊敬語だったらしい。
そち、そこもと、そのほう、おぬし、そなた、御身は時代劇でよく聞く。
そち、そこもと、そのほう、おぬしはお前で、そなたは君、御身はあなたという意味らしい。
英語の2人称はユーしかない。
日本語は英語に比べて1人称と2人称が多すぎる。だからこそニュアンスの違いがより深く表現できるのだ。