2015年公開。ドイツ映画
ナチスドイツの独裁者だったアドルフヒトラーが、現代のドイツにタイムスリップしてしまい、ヒトラーの物まね芸人としてマスメディアを通してドイツ国内で有名になり、人々の心をつかんで再び独裁者へ返り咲こうとするコメディ映画。
ヒトラーで笑える映画ってものすごく不思議な感じ。彼が魅力あふれる好人物に思えてくる。悪魔として世界中からいまだにタブー視される存在なのに。
だが最後は冷や汗をかくほどのとんでもない結末が。ヒトラーで最後まで笑うわけにはやはりいかないのだ。
カールマイヤー嬢のおばあさんがヒトラーを見てすぐに本物と見抜き、今の人たちと同じように当時の人たちも騙されたとののしるセリフがあり、なぜ当時のヒトラーが独裁者になれたのか、もしかしたらその理由は...。
ヒトラーをテレビに出演させて人気者にさせてしまったザブァツキは、ナチス親衛隊で例えるとゲッペルスみたいな存在か。ゲッペルスはヒトラーを神格化する宣伝をマスメディアや映画、行事を通してドイツ国民に対して行ってきた。
まあ、ゲッペルスと違ってザブァツキはヒトラー信奉者ではなく、ヒトラーの正体に気づいてからは、彼の野望を阻止しようと奮闘するが...。
終盤でヒトラーが言っていたように、我々愚かな人類は、1歩間違えればあの悪魔を再び蘇らせることができるのだ。そう何度でも。
なぜならヒトラーという怪物を作り出したのは...。