城丸君事件をご存知ですか。
ネット上でよく話題になっている事件です。
城丸君という当時9歳の男の子が、犯人である工藤加寿子という女によって誘拐殺害された事件です。
ですが、工藤は逮捕されて裁判にかけられたものの、無罪という判決が出て釈放されてしまいました。
しかも、国相手に無罪判決を理由に裁判にかけられたのは不当だったとして、およそ1000万円の損害賠償請求を起こし、900万が工藤に支払われました。
工藤が城丸君を誘拐し、死に至らしめたのは間違いありません。
ではなぜ工藤は無罪になったのか。
工藤が城丸君を死に追いやったのは、傷害致死か殺人なのか断定できなかったのです。
殺すつもりはなかったが、誤って死なせてしまった。つまり殺意が証明できなければ、殺人ではなく傷害致死罪になってしまうのです。
裁判当時、工藤の誘拐罪、傷害致死罪はどちらとも時効になっていて、時効を迎える1か月前だった殺人罪でなければ工藤を裁くことができなかったのです。
つまり工藤に城丸君に対して殺意があったという証明を、検察側はしなければなかったのです。
ですが取り調べで工藤は完全黙秘。裁判の時も同様だったそうです。
結局殺意があったかは証明できず、工藤は無罪になってしまったのです。
にしても工藤という女は相当したたかで図太い神経の持ち主だなと思いました。
夫を保険金目当てで放火して殺害したのではないかという疑惑もありましたが、そちらも罰を受けることなく、時効になってしまったそうです。
犯人の完全勝利という非常に後味の悪い事件でした。