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第3の男

1949年公開。イギリスとアメリカの共同映画。 ジョゼフコットン主演。

舞台はオーストリアの首都ウィーン。連合国によって分割占領されていた。

親友ハリーの誘いでウィーンに到着したホリー。だが、ハリーは前日に事故死したと伝えられ...。

序盤は、事故死した親友のハリーは何者かによって殺されたのではないかと疑いを持った主人公のホリーが、親友を稀代の悪党だったと決めつける警察のキャロウェイ少佐と対立しながら、ハリーの恋人だったアンナとともに事故の真相を探ろうと奮闘する。

中盤は、警察署でキャロウェイからハリーがインスリンの密売に手を染めていて、そのせいで多くの女性や子供が犠牲になったことを知らされ、ホリーはアンナとともにショックを受ける。そしてハリーが生きていたことが発覚して...。

終盤は、親友を警察に売り渡すかどうかで苦悩するホリーが描かれていて、ラスト10分ではハリーが多数の警官から下水道の中で逃げまくるハラハラドキドキの逃亡劇が映し出された。

 

流れてくるBGMが軽快で、どこかもの悲しげな感じに聞こえてきた。

事故を目撃したハリーの親友たちと、オーストリア人の門番の男の証言の食い違いから、本当に単なる事故だったのかを疑うホリー。

門番の男が言っていた第3の男の正体。ホリーの騒々しさに文句を言おうとした、家主がつけた明かりで偶然明らかになったその以外すぎる正体。劇的な効果音が印象に残った。彼によくなついていた猫がヒントになっていた。

観覧車に乗った場面でハリーは、恋人のアンナのことを助けようともせず、どうでもいいといった感じでホリーに激怒される。そんなハリーを愛しているアンナがひどく哀れに思えた。ハリーはひどい奴だな。

ホリーは警察がアンナの逮捕を免除することを条件に、ハリーの逮捕に協力しようとする。だが、彼女はハリーの逮捕に協力したホリーを激しくののしる。ホリーは仕方がなく、警察の協力をやめようとするのだが、キャロウェイに連れてこられた病院でハリーのせいで後遺症に苦しんでいる子供たちの姿を見て、親友がしでかしてしまったことの重大さを目の当たりにして再び警察に協力することに。

見事な粘り勝ちで、キャロウェイなかなかやるなーと思った。素晴らしい警官だ。

待ち合わせの場所でホリーを、再び激しくののしるアンナ。

いくらで警察に協力したのか、ホリー変な名前ねとか。

この場面でアンナに腹が立った。彼女がひどく幼稚に思え、ホリーが可哀そうだと思った。

ハリーとホリー。名前が似ていてややこしい。アンナも名前をまちがえて呼ぶシーンがある。

ハリーは、ホリーに銃で撃たれる前に、うなずくシーンがある。苦しいから早く殺して楽にしてくれといった意味だったのか。

ラストシーンで、待っていたホリーを無視してただ放心状態で歩き続けるアンナ。ホリーはそんな彼女を追いかけることもできずに、ただ立ち尽くすしかなかった。

悲しい印象の残るラストだった。